🗂️ 取引先管理

「取引先管理」では、仕事でお金のやり取りをする相手(お客さん・仕入先・外注先など)を登録します。登録しておくと仕訳入力・支払調書の作成が楽になります。

取引先は登録しなくても仕訳入力はできます。よく取引する相手を登録しておくと、入力時に名前を選ぶだけになるので便利です!

🏢 取引先の種類

👤
得意先
商品・サービスを販売する相手(お客さん)
🏭
仕入先
材料・商品を購入する相手
💻
外注先
仕事を依頼するフリーランスなど
🏠
家主など
家賃・地代の支払先
⚖️
士業等
税理士・弁護士など、源泉徴収の対象となる専門家報酬の支払先

🖊️ 取引先の登録手順

1 取引先管理を開く

左メニューの 🏢 取引先管理 をクリックします。

2 取引先を新規登録する

「+ 取引先追加」ボタンから登録します。

取引先名 会社名または個人名
必須
取引先区分 得意先・仕入先・外注先など
必須
住所 支払調書に記載される
任意
電話番号 連絡先
任意
マイナンバー/法人番号 支払調書提出時に必要
任意
登録番号(インボイス) 得意先・仕入先のみ。決算書の売上先・仕入先明細に反映されます。数字13桁のみを入力しても自動的に先頭へ「T」が付与されます
任意
メールアドレス 請求書・見積書・納品書のメール送信先
任意
メモ 備考・特記事項など
任意
3 仕訳入力時に取引先を選ぶ

かんたん入力・仕訳帳で取引先名を入力すると、登録済みの取引先が候補として表示されます。
選択するだけで自動入力されます。

📄 決算書の売上先・仕入先明細への記載

青色申告決算書・収支内訳書の「売上(収入)金額の明細」「仕入金額の明細」には、取引先を最大4件まで個別に記載できます。どの取引先を個別に載せるかは、取引先の編集画面の「決算書の明細への記載」で選べます(得意先・仕入先のみ)。

自動(おまかせ) 既定。金額の大きい順に自動で最大4件を記載します。何も設定しなければこの動作です。
必ず個別記載する 金額が小さくても優先的に枠を確保して記載します。売上先・仕入先ごとに最大4件まで指定できます。
上記以外にまとめる 明細に個別記載せず、「上記以外の売上先(仕入先)の計」に合算します。
並び順と補充のしくみ
・「必ず個別記載する」を指定した取引先が優先的に枠を確保し、空いた枠は「自動」の取引先が金額の大きい順に補充されます。
・表示順は最終的に金額の大きい順です(個別記載を指定しても、並び順は金額順になります)。
・「上記以外にまとめる」に回した金額も「計」には含まれます。金額が消えるわけではなく、明細に個別表示されないだけです。
💡 使いどころの例:サブスクなど少額多数の売上をまとめる

たとえば毎月少額のサブスク料が多数の相手から入るような場合、そのままだと少額のサービス名が売上先明細に並んでしまい、主要な取引先が埋もれてしまうことがあります。こうした少額多数の売上先を「上記以外にまとめる」に設定すると、明細には主要な取引先だけが並び、少額分は「上記以外の売上先の計」に合算されます(合計金額は変わりません)。逆に、金額は小さくても決算書に必ず載せたい取引先は「必ず個別記載する」にしておけば、金額順の上位4件から漏れても確実に記載されます。

この設定が反映される帳票 → 青色申告決算書 / 収支内訳書(白色)

📌 未登録取引先について

仕訳帳・かんたん仕訳・口座情報連携(CSV取込)のいずれかで取引先名を手入力(フリーテキスト)で登録すると、既存の取引先マスタと一致しない名前は「未登録取引先」として一時保存されます。
ヘッダーの「📝 未登録取引先」ボタンから確認・正式登録ができます。

✅ 完全一致する取引先名は自動的に紐付けられます

入力した取引先名が、取引先マスタに登録済みの名称と完全に一致する場合は、確認画面なしで自動的にその取引先へ紐付けられ、「未登録取引先」の一覧には表示されません。

これは、後述の「🔗 正式登録時:過去の仕訳への紐付け」(候補を確認してチェックを入れることで紐付ける機能)とは異なり、確認画面なしで即座に行われる自動処理です。

💡 法人格表記の違いや一部だけが一致する場合(表記ゆれ)は自動紐付けの対象外です。この場合は従来通り「未登録取引先」として一覧に表示されるため、内容を確認したうえで正式登録してください。
📝 未登録取引先の処理手順
①
一覧を確認するヘッダーのオレンジバッジをクリック
②
取引先を特定するどの取引先か内容から確認
③
正式登録する「✓ 正式登録」ボタンから取引先マスタに追加
− 取引先名が不要な場合は「紐付け解除」

CSVインポートの摘要(例:「サブスクリプションの支払い」)がそのまま取引先名として取り込まれてしまうなど、本来取引先名が不要な仕訳(事業主貸・事業主借への振替等)が未登録取引先に混ざることがあります。
「削除」ボタンは、その取引先名が仕訳で使用中の場合は削除できません。取引先名自体が不要な場合は、代わりに「− 紐付け解除」ボタンを使ってください。その取引先名を使用している全ての仕訳の取引先の紐付けを一括で解除し、一覧から完全に消えます。

⚠️ この操作は元に戻せません。実行前に対象件数が表示されるので、確認したうえで実行してください。
⚖️ 「士業等」への登録は確認が必須です

摘要の内容(例:「振込手数料」「顧問料」など)から、区分が自動的に「士業等(源泉徴収対象)」と判定される場合があります。銀行手数料や決済手数料が誤って士業等と判定されるケースがあるため、「士業等」と判定された取引先を正式登録する際は、必ず確認画面が表示されます。

確認画面では、自動判定の根拠となった勘定科目(参考情報)が表示されます。内容を確認し、

本当に士業等(税理士・弁護士等)の場合:「はい、士業等として登録する」を選択します。この場合のみ、源泉徴収区分(なし/標準/手動)を選べます。
銀行手数料・決済手数料など、士業等ではない場合:正しい区分(仕入先・外注先など)を選んで「この区分で登録する」を押します。
💡 源泉徴収区分の初期値は「なし」です。士業等として確認・確定した場合のみ、必要に応じて「標準」等に変更してください。士業等以外の区分(得意先・仕入先・外注先など)は、従来通り確認なしでそのまま登録できます。
💡 支払手数料(622)については、補助科目「銀行手数料」「士業報酬」を使い分けることで、そもそも銀行手数料が士業等の候補にならないようにできます。詳しくは補助科目のマニュアルをご覧ください。この確認画面は、それ以外の科目(顧問料等の別科目)で誤判定が起きた場合の最終防止線として引き続き機能します。

🔗 正式登録時:過去の仕訳への紐付け

「✓ 正式登録」を押すと、同じ取引先名を含む過去の仕訳が候補として自動で表示されます。チェックを入れた仕訳だけが、登録する取引先と紐付きます(何もチェックしなければ紐付けは行われません)。

🟢 完全一致候補
「株式会社AXL」と「(株)AXL」のような法人格表記だけが違う場合は完全一致として扱われ、初期状態でチェック済みです。
🟡 表記ゆれ候補
「振込 AXL 御中」のように一部だけが一致する場合は表記ゆれ候補として表示されます。初期状態ではチェックされていないため、内容を確認してから選択してください。
候補は自動で確定されることはありません。誤った仕訳が紐付かないよう、必ず内容を確認してからチェックを入れてください。

🔗 同じ取引先の統合(表記ゆれ)

同じ取引先でも、入力時の表記のゆれで別々の未登録取引先として登録されてしまうことがあります。

スペースの違い
「振込 カ)サンプル」と「振込 カ) サンプル」(半角/全角スペース)
「株式会社」等の有無
「株式会社テスト商事」と「テスト商事」
全角・半角の違い
「ABC商店」と「ABC商店」

こうした「同じ取引先かもしれない候補」を見つけて、1つにまとめられる機能です。

「📝 未登録取引先」ページの上部に、「🔗 同じ取引先かもしれません」として表示されます。会社名の一部だけが一致する程度(別会社の可能性)では候補にならず、表記ゆれレベルの実質同一のみを候補にします。

👀 統合候補の見方

各候補には、判断に必要な情報が並びます。

取引先名 別々に登録されている名前(表記ゆれ)
種別 売上先・仕入先などの区分
使用 ○ 回 これまで入力で使われた回数
仕訳 ○ 件 その名前が使われている仕訳の件数

✅ 1つにまとめる

1残す取引先を選ぶ

候補の中から、残したい正しい名前を1つ選びます(初期状態では、使用回数がいちばん多いものが選ばれています)。

2「選んだ名前で1つにまとめる」を押す

確認画面が表示され、次の内容が示されます。

  • どの名前にまとまるか(残す名前)
  • まとめられて消える名前
  • 使用回数が残す名前に合算されること
  • 仕訳(帳簿)の内容や金額は変わらないこと
⚠️ この操作は取り消せません

まとめると、消える側の未登録取引先は削除されます。元に戻すことはできません。確認画面の内容をよく確かめてから実行してください。
なお、統合しても仕訳や金額には一切影響しません(未登録取引先の候補リストが整理されるだけです)。

🚫 「別の取引先です」を選んだ場合

候補に挙がっていても実際は別の取引先のときは、「別の取引先です」を押します。

  • 以後、その組み合わせは統合候補として提案されなくなります(まとめてしまう事故を防げます)。
  • 設定した内容は、候補一覧の下にある折りたたみ 「別の取引先として設定済み」 にまとまります。通常の画面が煩雑になりません。
  • 後から「設定を解除」できます。解除すると、再び「同じ取引先かもしれません」に表示されます。
💡 迷ったら、まとめずに「別の取引先です」で保留しても構いません。あとで解除して統合できます。

🔤 摘要マッピング

口座情報連携(銀行・クレカCSV取込)では、明細の「摘要」がそのまま取引先名として取り込まれます。 そのため「月額プラン sample@example.com」「振込 カ)サンプル」のように、メールアドレスや「振込 」などの余分な文字が取引先名に混ざってしまうことがあります。
摘要マッピングは、こうした摘要を取引先名として使う前に整える(別名に置き換える/一部を除去する)ための設定です。

設定は「取引先管理」画面の 🔤 摘要マッピング タブから行います。ここで登録したルールは、以降のCSV取込・かんたん仕訳・仕訳帳での取引先候補登録に適用されます。すでに登録済みの摘要(journals の摘要そのもの)は書き換えません。

🖊️ ルールの作り方

1照合方法(マッチの種類)を選ぶ

摘要をどう照合するかを、次の3つから選びます。用語だけでは分かりにくいため、具体例で覚えてください。

種類 意味 例(パターン → 摘要 → 結果)
完全一致
(exact)
摘要がまるごと一致したときだけ変換。全角/半角や「(株)」などの表記ゆれは吸収します。 「カ)サンプル」→ 摘要「カ) サンプル」→ 株式会社サンプル
前方一致
(prefix)
摘要の先頭がパターンで始まるときに変換。 「楽天カード」→ 摘要「楽天カード 12/01 ...」→ 楽天カード
部分一致
(contains)
摘要のどこかにパターンを含むときに変換。いちばん広く一致します。 「サンプル」→ 摘要「振込 カ)サンプル」→ サンプル社
💡 完全一致がいちばん厳密、部分一致がいちばん広く一致します。広い一致(部分一致)ほど、意図しない摘要まで巻き込みやすいので注意してください。
2パターンと取引先名を入力する

パターン(照合する文字)と、変換後の取引先名を入力します。

取引先名を空欄にすると「候補に上げない」扱いになります。
取引先名として扱いたくない摘要(振替や、名称が不要な明細など)に一致させ、取引先名を空欄にしておくと、その摘要は未登録取引先の候補に登録されません(摘要そのものは仕訳に残ります)。
3保存前に「適用プレビュー」で必ず確認する

適用プレビューは、いま登録されている摘要のうち何件がこのパターンに一致し、どう変換されるか(変換前 → 変換後)を保存前に一覧で表示します。

⚠️ なぜ必ず確認するのか

パターンの指定を誤ると(特に部分一致で短い語を指定した場合)、本来は別扱いにしたい取引先まで同じ名前にまとめられたり、候補から除外されたりします。プレビューで「意図した摘要だけが一致しているか」「一致件数が多すぎないか」を必ず確認してから保存してください。

✉️ 既定でメールアドレスは自動的に除去されます

初期状態で、摘要に含まれるメールアドレスは自動的に取り除かれます(システム既定のルール)。

例:「月額プラン user@example.com」 → 月額プラン(メール部分だけ除去して残ります)

これは特定のアドレスを狙うのではなく、「メールアドレスの形式」を自動判定して除去します。そのため:

  • メールだけの摘要(例「user@example.com」)は、除去すると名前が空になるため 取引先候補に上がりません。
  • 「@」を含んでいてもメール形式でない文字列(SNSのID「@account」、参照コードなど)は除去されません(誤って消さないための安全側の判定です)。
🛡️ システム既定のルールについて

「メールアドレス除去」などのシステム既定ルールは一覧で「システム既定」と表示され、編集・削除はできません。ただし自分のアカウント(事業者)でのみ「無効化」できます。この無効化は他の事業者には影響しません(あなたの事業者だけで効かなくなります)。

💡「振込 」で始まる摘要の先頭を取り除くシステム既定ルールも用意されていますが、取りすぎ(過剰な変換)を防ぐため初期状態では無効です。必要な場合のみ有効化してください。

📝 取引例で覚えよう

フリーランスのライター・山田さんに外注している

取引先名山田 花子 取引先区分外注先 住所(支払調書に記載) マイナンバー(支払調書提出時に必要)
→ 登録後、支払調書が自動で作成できます。
毎月請求書を送るお客さん(○○株式会社)

取引先名○○株式会社 取引先区分得意先 法人番号(任意)
→ 売上の仕訳を入力する際に取引先として選べるようになります。

❓ よくある質問

Q. 取引先を削除したい

一覧の「削除」ボタンから削除できます。ただし、仕訳で使用中の場合や、請求書・見積書が紐づいている場合は削除できません。その場合は使わなくなった取引先として「無効」に切り替えてください(データを保持したまま、仕訳入力時の選択対象外にできます)。

Q. 個人のお客さんも登録できる?

できます。個人名で登録してください。

Q. 支払調書に必要な情報は?

住所・マイナンバー(個人)または法人番号(法人)が必要です。

Q. 未登録取引先が「士業等」と表示されたが、実際は銀行手数料だった

正式登録の確認画面で「区分を選択」から正しい区分(仕入先・外注先など)を選び、「この区分で登録する」を押してください。士業等として確認していなければ源泉徴収の対象にはなりません。既に「士業等」で登録してしまった場合は、取引先の編集画面から区分・源泉徴収区分を修正してください。

Q. 売掛金で売上を計上した場合、決算書の売上先明細に取引先は表示される?

表示されます。発生主義(借方=売掛金/貸方=売上)で計上した場合でも、取引先は売上行・売掛金行のいずれに付けても構いません。青色申告決算書/収支内訳書の「売上(収入)金額の明細」には、その取引先が売上先として集計されます。取引先を付けていない売上は、従来どおり「上記以外の売上先の計(雑収入を含む)」にまとめて集計されます。

Q. 1つの仕訳の借方に複数の得意先を入れたら売上先明細に個別表示されなかった

1件の仕訳(借方)に複数の得意先が混在している複合仕訳の場合、どの得意先の売上か一意に定まらないため、売上先明細には個別表示されず「上記以外の売上先の計」に集計されます。得意先ごとに個別表示したい場合は、仕訳を得意先単位に分けて入力するか、売上行に得意先を直接付けてください。